仕事でおつきあいのあるクライアントさんの個人ブログのカスタマイズについて相談される。もちろんそれだけ技能があるということで評価をもらったということで相談されることは悦ばしい。
なのだけど、問題は価格。こちらに相談したいこと(やって欲しいこと、おしえてほしいこと)の量を見積もると、1日で済む量ではない。テンプレートのカスタマイズは、元のテンプレートのソースを読まねばならないし、ちょっとした文字サイズを変更するだけであっても当該styleの影響範囲だって調べねばならない。他への影響など無視してよい、と仮に言われたとしても、影響範囲が実際に使用しているテンプレートに及んでいれば、結局そちらの修正対応というものが降りかかってくるのは見えている。だったら最初から調査して影響が出ないようにしておく、というのが仕事の段取りというものであろう。
そうなると、個人的な依頼だから多少割り引くとしても、「1日で済む量ではない」の対応の仕方の違い、出しかない。つまりはバッファを付けておくかつけないか、位の差。せいぜいそれくらい。でこれくらいの金額かなぁ、とこちらの見積もりを提示したところ、ご予算はそれの20%程度しかないとのこと。
であれば、これは仕事としては請けられない。お友達だからやってあげればいいじゃないかというむきもあるかもしれないが、プロの仕事を20%の価格(それも通常存在するバッファを削っているので,実質的には15%程度)で提供してくれ,という依頼なのでやはり請けてはいけないんじゃないか,という気分の方が大きい。お友達価格というのは,予算に応じて何でもやってあげるということではない。
ことは、お友達価格というだけではない。
仕事であっても,「知見を借りたい」という要望が多々あるが,その多くは「無償で知見を借りたい。後ろで作業発生したら作業費は払うから」というパターン。これは違うんじゃないだろうか。作業費を払うのは当然だけど,それは文字通り作業に対しての費用であって,その前段の「知見」なるものがなぜ無料になるのだろうか。むしろ知見の方が,よっぽど費用を払われるべきものではないか。作業が無価値ということではなくて,知見は10人いれば10人の知見が存在するが,作業であれば10人いても(やりかたはそれぞれにしても)最終的に10人が異なる成果物を作ってしまってはいけないという点で取り換えがきく。もちろん10人が10人同じこと言うよね,というレベルで意見を求められることもあるのだけど,そもそも知見を借りたいなんて言う時に,誰に聞いても同じことは期待されていない(同じこと言うは結果の問題)ので,やはり独自性が前提となる。なんだからやはり知見の方が費用が発生してしかるべきことではなかろうか。
相談はタダじゃない。